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『アルゴ』と『ゼロ・ダーク・サーティ』

アカデミー賞各部門ノミネートされた「アルゴ」と
「ゼロ・ダーク・サーティー」。
どちらもCIAが過去に実行した作戦を描いた作品。
僕は「アルゴ」が好み。
シチュエーション的にコメディ要素もあり
ドラマ性が凝縮されていてエンタメとして分かり易い。

「ゼロ…」は、凝縮というよりも
事実を忠実に描くことで
緊張感を積み上げて最後の暗殺作戦になだれ込む。
ドキュメンタリーでは描けないシーン、
伝えられない緊張もあったが…
見終わったあと釈然としない想いが残る。
と同時に「アルゴ」で感じた爽快感にも疑問を
感じるようになる。

どちらの作品も描かれている「敵」は同じで、
「ゼロ…」なんかは最初、主人公が
逡巡する様子も描かれているけれど…
最終的には明確な「敵」として任務を遂行する。
観客側から観ると、
「それって単純に敵として描いていいの?」という迷いが残り
作品世界に入って行けなかったように思う。

そういった意味で「アルゴ」は「脱出作戦」という
明快な目的が達せられるか?という分かり易さが、
その違和感を一瞬忘れさせてくれる。
一方で「ゼロ…」は、その現実を常に突きつける。

どちらの作品も作品賞候補になったことは
アメリカの「今」を映し出しているように感じた。
それは、アメリカの「健全」でもあり
アメリカが良しとする方はどっちなんだ?という
アメリカ世論の想いのようなものだ。

結果、「アルゴ」が作品賞を獲ったことは
エンタメ業界に身を置く立場から納得だけど
同時に、なんとなく、アメリカ社会が「敵」に対して
行ってきたことに対するスタンスなんかも透けて見えるようで
それはそれで、興味深い結果だったといえる。

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