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病院たらい回し 救急医療 ホントの改善策

また、周産期医療の現場で
脳出血を起こしていた妊婦のたらい回しがあった。

調布在住、32歳の妊婦さんが不調を訴え、
かかりつけ医に脳出血の疑いと診断されてから
4時間以上搬送先探しに待たされ、
結果、東京の西から東へ30キロも離れた
都立墨東病院に収容されることになった。

お子さんは帝王切開で無事、生まれたものの
お母さんは意識不明の重体のままだそうだ。

病院のたらい回しは、産婦人科に限らない。
救急搬送される可能性は誰にでも有るワケで、
誰も他人事で済ませることのできない問題なのだ。

先日、番組では、墨東病院の
救急救命センターに勤務していた経験を持つ
現役医師をお招きして、
救急医療の問題点と改善策について、お話を伺った。

その方は、埼玉県にある指扇(さしおうぎ)病院の副院長で
日本救急医学会認定の専門医、さらには
さいたま市議会議員の日下部伸三(くさかべ・のぶみ)さん。

この問題について、石原都知事は「国が医師の数を
増やしてくれないからこういうことになる」と国を批判していた。
対する舛添厚生労働大臣は「国はすでに、医師不足解消へ向けた
取り組みをしている。今回の問題は
都の医療体制の不備に問題がある」と
意見を真っ向から対立する場面があった。
しかし、日下部さんは、このどちらの意見も
「現場を知らない人の意見」と言う。
そのワケとは・・・

<救急医療の問題点>
・当直医師で、救急患者の受け入れを
 断ったことのない医師はいない

・その理由は大きく分けて2つ
 1)ベット数が足りない
 2)自分の専門外だから

・例えば、指を切った患者さんを外科の先生が
 親切心で縫合した場合、
 後日、指にしびれや麻痺が残ったりすると
 医療ミスとして訴えられる。
 裁判所も「専門医に診せるべきだった」と判決を下す。
 しかし、、24時間365日、
 すべての科の専門医を当直させている病院は
 埼玉県だけでも3カ所しかない。
 それも、基本的には入院患者のための当直。
 入院患者に急変があった場合、救急患者を診る余裕は無い。
 救急患者を診るためには1晩2人体制が必要だが、
 いまの医療体制では無理。

・救急搬送の件数そのものが増えている

・とにかく、いま、何か問題があるとすぐに
 刑事訴訟するケースが相次いでいる
 これでは医師はリスクを取りたがらない

・先進国の中で、
 医師の医療過誤を刑事訴追できるのは日本だけ

・医師、看護師に対して支払われるべき医療費が
 他へ回ってしまっている(医薬品、医療部材)


<救急医療の改善策>
・医療過誤で医療従事者が
 刑事責任を問われないよう法整備する

・民事訴訟についてはOK
 今後、同じような事がおこらないための
 対策づくりのためにも、民事訴訟は大切。
 民事であれば、保険が効くので
 医師側、病院側のリスクも軽減される。

・刑事責任を問われないから
 情報公開・原因究明・再発防止というプロセスが成立する

・救急搬送増加を抑制するため、
 救急車の有料化や安易に呼ばない啓蒙活動が必要
(最近は、救急搬送だと優先的に観てもらえるから、
 タクシー代わりなどの理由で
 救急車を利用する人も多いという。
 素人に緊急性があるなしを判断させること自体
 難しいと思うが、明らかに安易な搬送要請は
 抑制されるべきだと思う…きたむら私見)

・医療費を「モノ」から「ひと」へシフトする
 いま現在、欧米と比べて医薬品の値段は2倍前後、
 医療部材(義足、医療機器など)は
 3〜5倍もの値段がする。
 ここに回っている医療費を人に回すべきではないか?

・医療費の国庫負担率を上げる。
 先進各国と比較したとき、
 日本の国庫負担率は2%ほど低い水準。
 GDP500兆とした場合、
 その2%、10兆円が医療費になると、かなり改善される

・また、消費税を「ぜいたく税化」して、
 もっと引き上げて社会保障に回す
(これについては、国民が心底納得できるような
 行政改革があったのちになるだろうけど)

・「医者は金持ちで悪者。患者は弱者で善である」
 という思考回路だけでは
 改善しない。お互いがお互いを思いやる心の教育が必要。

重要なのは、国がいくら医師を増やしても、
都がいくら体制を整備しても、
増えた医師は訴訟を怖れ、外科、産科、小児科など
リスクの多い科を志望しなくなっている。
結果、増えた医師は開業医となってゆき、
増やしたい現場は永遠に人が増えていかないところに
問題の根っこがあるということだ。
これが、この問題を考えるとき、
一番大きな課題ではないだろうか?

まぁ、医療費の偏りも、
なにか業界的な裏事情を感じざるを得ないが…

救急医療にかかることのリスクというものを、
患者側も認識すべきなのだと思う。
もちろん、自分自身が患者側になったとき、
簡単に了承できるか?といわれると
できないと思う。
でも、現場の医師が心に抱えている課題を
解消してあげない限り
不幸なたらい回し事例は、
これからも続いていくのだと思う。
システムを!システムを!と声高に叫ぶだけでは
何も変わらないのだ!
   

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