いのちてんでんこ

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3.11前日にこの作品を見ることができてよかった。鎌倉芸術館で上演されている『いのちてんでんこ』。「いのちてんでんこ」とは、イザとなったら他人のことは気にせず”てんでバラバラ”になって逃げるように!という教えが由来だ。同じく「津波てんでんこ」という言葉もあるそうだが…その意味はつまり…そういうことだ。

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東北沿岸地域「三陸」の郷土芸能をベースにしたNPO団体が製作して…今回、鎌倉市と有志が招聘した。

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物語は市役所職員役の2人が前半と後半で語り部の役割を交換しながら進行していく。震災当日、目の前で人が流されて行く様…震災直後、あちこちに遺体が放置されたままになっていた現実、復旧に向かって行く最中に生まれる軋轢が…イメージや短いセリフで積み重ねられていく。海外での公演も視野にいれているらしく、パンフレットや場内アナウンスには英語が併記されている。だからノンバーバルでも伝わる内容にしているのだろう。

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印象的だったのは「郷土芸能」が歴史を繋いで行く象徴として扱われていたことだ。震災で多くの人が傷つき、コミュニティが崩壊するなかで、町にあった郷土芸能団体が次々と解散して、伝承を諦めて行く。それに抗おうと市役所職員がトラウマを抱えながら、またそれを克服するため郷土芸能のおまつりを企画してリーダーとして引っ張って行くのだ。

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教科書で習うような時代の積み重ねを経ていまがあり、その現代に残る「郷土芸能」とは、時代時代が体験した悲劇、その悲劇から再生しようとした人間たちの証しである。だから「まつり」は、「郷土芸能」は、華やかで、ひたむきで、どこか哀しいのだ。なにか…郷土芸能を見る目が変わったような体験をした。ボクが「視点が変われば毎日はおまつりになる」という理念とキャッチフレーズを掲げて「劇団東京フェスティバル」を主宰している意味をあらためて再確認した。

http://inochi.xyz

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 「スリービルボード」あ〜〜〜こういう映画が観たかった!

あ〜〜〜こういう映画が観たかった!と思わせてくれる非常に人間味溢れる良質な作品でした。娘がレイプされ焼死体で発見されてから7ヶ月。犯人が捕まらないことに苛立ち憔悴しきった母親がフッと思い立ったアイデア。それは…人通りが無く、もう何十年も広告依頼の無い朽ちはてた3枚の広告用看板(=『スリー・ビルボード』)。その看板に『捜査はどうなっているんだ!?警察署長!』と掲げたことから…小さな町に不協和音が響き始めるというストーリー。

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予告編の出来はイマイチだけど…作品自体は良質です。クリントイーストウッドっぽい感じと言ったらイメージつくでしょうか。
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ラストに至る展開の妙に「うまい」「やられた」とシンプルに楽しむ自分と…「くやしい」「自分もこういう作品を書かねば」と感じさせてくれた作品。いいですよこれは。アカデミー授賞式でどのくらい獲るか?たのしみです。
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加害者家族の人権

刑務所の中だけで放送されているラジオ番組がある。そんな事実をもとに2015年に作った舞台「code~その声は塀の中」(主演:渡辺裕之さん、小嶋菜月さん)では、加害者の贖罪と加害者家族が背負わされる罪と家族の愛情をテーマにした。きょう加害者家族の方と共に東京拘置所を訪れて、あらためて、同じテーマに向き合ってみようと思った。

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それを作れば、彼が来る

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2017.11.1 人生がシフトチェンジしたような気がする。

朝、熱望していた短編映画撮影への参加受諾の連絡が届く。洗濯機が壊れたというので妻と一緒に渋谷の電気屋へ出かけ、妻の思い出のお店で昼食。その足で六本木ヒルズへ移動。会議室で打ち合わせだと思ったら…連れて行かれたのは和食屋の個室!東京国際映画祭に出品している監督と打ち合わせを兼ねた食事会。いつにも増してパンパンになった腹を抱えながらドキュメンタリー映画『愛と法』鑑賞。作中、取り上げられている「無戸籍児問題」に取り組む井戸まさえさんと意見交換。新たなドラマのヒントを得たところで…ドレスに身を纏った宮﨑あおいさんを見かける。きっと上映作品のアフタートークだろう。作品は何かな? とサイトをチェック。2000年公開の『ユリイカ』だということが分かる。これ劇場へ観に行ったなぁ〜と感慨にふけりながらサイトを眺めていたら六本木ヒルズアリーナで『フィールドオブドリームス』の無料パブリックビューイングをやっていることを知る。1989年、高校生の時に劇場へ観に行き鳥肌が立った感動作だ。これは行かねば!とアリーナへ急ぐ。「それを作れば、彼が来る」。夢破れた男たちによる心優しいドラマに涙。エンドロールの出演者欄に「THE VOICE=himself」と書かれていたことに気づく。フッとスクリーンの横を観るとAbemaTVのスタジオが照明で光り輝いている。きょうは堀潤さんが担当の曜日だ。明日J-WAVEの番組でご一緒する方だ…。朝から続く…映画を軸にした連携プレーに何かを感じる。気のせいにはしたくない…だから今日という日を忘れないように…ここに記しておこうと思う。

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舞台『エール』! お客さまの声/パンフ用コメント全文掲載

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作・演出を担当しました舞台『エール!』
俳優・近江谷太朗さんのプロデュースユニット「yatapro(ヤタプロ)」の第2回公演として…
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2017.9.9〜9.18
中野テアトルBONBONにて上演しました。
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大震災が起きたとある街。
小学校にできた避難所を舞台に繰り広げられる人情劇です。
以下のURLはご覧いただいたお客さまのtweetの「まとめ」です。
ご覧ください。
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【当日パンフレットに掲載した挨拶文】
大規模災害に見舞われた被災地の様子はこれまで、報道、ドキュメンタリー、ドラマ、映画…さまざまな形で切り取られてきました。その中身は被災者の辛い側面にクローズアッ
プしたものが多かったように思います。たしかに、そうした姿を通して被災地の現実を知り、共感し、支援に向けて自分に何ができるかを問いかけるキッカケになるかもしれません。

しかしボクは、切り取られるコトもなかった“フツーの出来事”“フツーの人々”の姿を
伝えたい。そこに大切な何かが詰まっているように思うのです。緊急事態の非日常である「避難所」のなかでわいてくる欲求。それこそ人間らしい。それを、見てはいけないモノのようにすることこそ問題です。

避難所を舞台にした芝居を作ると決めてから、いろんな人から言われました「また、重いテーマを…」と。重く描こうと思えば、いくらでもシリアスにできるでしょうが…避難所の取るに足らない日常をつむぐことで見えてくる何かを観客のみなさんと一緒に感じたいと思っています。これから1時間55分…おつきあいください。

作・演出 きたむらけんじ(劇団東京フェスティバル)
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【販売用パンフレット掲載文】

「災害が起こったとき、役者として無力感を覚えるんだよね」。

近江谷太朗さんから何度となく聞いた言葉が心に残っていた。太朗さんとは2012年に上演した舞台「泡」への出演をキッカケに飲みに行くようになった。東日本大震災発生から1年半に渡る被災地の姿を福島県いわき市小名浜のソープランド店を通して描いた人情喜劇「泡」。同作への出演は、東北で大学時代を過ごした太朗さんにとって特に感じるところが多かったようだ。日本から分断された福島を、福島県内で分断され異界とされているソープランド店から描くことで分断の不条理さを伝える作品は、福島の方にも好評をいただき、翌2013年、日本テレビ系列 福島中央テレビさんの主催で福島4都市(福島、郡山、いわき、会津若松)での公演が実現した。しかし、度重なる大規模災害の被災地で、「泡」を上演するにはセットも大掛かりだし困難を極める。

 

「歌手だったらギター一本、漫才師ならマイク一本で楽しませることができるのに役者は・・・」。実際問題、災害時、役者にできることが無いかといえば全くそんなことはない。石原軍団のように炊き出しに出動したり、アイドル的な人気があれば握手してサインするだけでも喜んでもらえるだろうし、ボランティアの一員としてガレキの撤去作業などを手伝うことだって何だってできる。しかし、「役者」として役に立ちたいという気持ちもよくわかる。そこで思いついたのが避難所を舞台にした物語「エール!」だった。阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震の現場で実際に起こった出来事をヒントにして「避難所あるある」をつむぎながら展開するストーリー。避難所でやれば、「そういうことあるよねぇ」「うちと同じだ」と共感しながらたのしんでもらえるだろうし、問題解決のヒントにしてもらえるかもしれない。ホントはこんなモノじゃない!と語り始めるキッカケになっても良い。避難所を経験したことが無い方でも、いざというときの心構えを得てもらえるかもしれない。セットも極力、簡素なものにした。

 

「50歳を超えて、人生もうひと花咲かせたいと思う同世代に向けて、元気づける、勇気づける作品を上演する。それがyataProのコンセプトなんだ」と太朗さんは語った。「エール!」にはさまざまな事情と想いを抱えた人物たちが登場する。そして避難所という特殊な空間で、次への一歩を踏み出す気力を得ていく。そんなキャラクターの姿に、中野・テアトルBONBONのお客さまが、避難所を体験したことのある方々が、少しでも心動いてたのしんでくれたなら、こんなにうれしいことはない。

 

                    きたむらけんじ

(劇団 東京フェスティバル 主宰)

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【劇団本公演 中止のお知らせ】

お客様ならびに
関係者のみなさまへ


いつも劇団東京フェスティバルをご愛顧くださり心より感謝申し上げます。

2017年7月世田谷パブリックシアター「シアタートラム」で予定しておりました劇団本公演は中止させていただくことになりました。
楽しみにしていてくださった方々、公演に向けて力を貸してくださったスタッフのみなさま、劇場関係者のみなさまに対しては大変申し訳なく思っております。
個人的にも「シアタートラム」で劇団本公演ができることを心から楽しみにしておりましたので、とても残念です。

私どもの準備不足が原因だとご理解ください。
今回のことを反省、検証して…次回公演に向けて準備を整えてゆきたいと考えております。
次回公演の準備が整いましたら、劇団ホームページ、Twitter、Facebookなどでお知らせいたしますので、
もしもよろしかったら、そちらを楽しみに待っていていただけますと幸いです。

これからも劇団東京フェスティバルをよろしくお願いいたします。


2017年6月19日
劇団東京フェスティバル
主宰
きたむらけんじ

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2017 版 『幸福な職場』 

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(©演劇キック 観劇予報)

舞台「幸福な職場」が千秋楽を迎えました。小屋入りから千秋楽まで1週間。あっという間でしたが、濃密な時間でした。おかげさまで千秋楽もスタンディングオベーションをいただくことができました。最後列で次々と立ち上がってくださるお客様の背中を観て、なんともいえない感動に包まれました。

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「幸福な職場」は日本理化学工業のみなさんが紡いで来た歴史と想いを受け継ぐほんの小さなバトンに過ぎません。ですが、お客さまひとりひとりの心にバトンが渡ったとき、きっと世の中はほんの少し良い方向に動いていくのだと思います。

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素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんのおかげで、とてもステキなバトンをお客さまにお渡しできたと思います。受け取ったバトンを大切にして頂き、次に繋げて頂けたら、こんなに幸せなことはありません。ご来場いただいたみなさま、気にかけてくださったみなさまに…心から「ありがとう」

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舞台写真がたくさん!
セットの雰囲気を含め役者さんの表情が良い感じで写ってます⇒

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『泡』感想の一部です

随分前のメールを検索していたら2013年に福島県4都市で上演した舞台『泡』をご覧いただいた方から「芝居に誘った友人からこんな感想が届いたよ」というメールを発見。律儀に「引用始」「引用終」とあって…その前後に、どんな本音が綴られていたのか? 気になるところですが…ありがたい感想ばかりなので、ここに備忘録として引用掲載。

ちなみに『泡』ってどんな舞台?という方のために…文末に過去のインタビュー記事を貼付けておきます。よろしかったら読んでやってください。

---- 引用始 ----
今のふくしまの状態は、ふくしまに住んでる人じゃないとわからないと感じることが、最近続いていたのてすが、そうじゃなくてもここまで、住民の気持ちやコミュニティの状況を理解して表現できる人もいるんだと感動しました。
何年経っても、上演していただけたらふくしまのこの混乱や前に進もうとした気持ちを伝えて行くことができるのではと思いました。
(小学校同級、女性、公務員)
---- 引用終 ----

他にも、観終わったあと、「すんごくいい芝居だった」と電話してきた、小学校と高校の同級生。
福島公演のリピーターになった高校の同級生(リピートでは、差入れ持参)。どちらもカミさん同伴。

他にもありました。
---- 引用始 ----
思った以上に充実した舞台で、県の職員達も誘ったかいがありました。
元いわき在住者としては、地酒『又兵衛』など小道具も嬉しく、とても東京の人が作ってるとは思えません。
役者の個性もそれぞれの演技も素晴らしく、仕事も飲み会も犠牲にしして見に行って良かったです。
(小学校同級、高校、大学同窓、男、県庁幹部)
---- 引用終 ----

まだまだありました。
---- 引用始 ----
なかなか面白かったです。若い役者の皆さん、福島弁上手で、驚きました。
(姉)
---- 引用終 ----

---- 引用始 ----
福島の、私たちの、中にある、様々な思いが二時間のお芝居の中に凝縮されていて、笑いながらも、うーん、と思って観てきました。友達も皆、思わずいい芝居がみれた、のでくれぐれもよろしくお伝え下さい、とのこの事です。
(小学校同級、中学校同窓、女)
---- 引用終 ----

【雑誌「ローリングストーン」でのインタビュー記事】
http://rollingstonejapan.com/articles/detail/21336/1/1/1

【「泡」について津田大介さんとの対談】
http://www.tokyofestival.com/vol.13-awa-Special%20edition.html

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スイスイと・・・

娘が自転車の補助輪を外して練習をはじめたのが9月のコト…最初はペダルを3回こぐのも大変だったのに…1ヶ月が経ったきのう、30分ほどの道のりをスイスイとこいで出かけた。もう、この子には、ママチャリの補助イスが必要ないのか…と思うと…父ちゃん寂しい。

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日本戯曲大事典

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載せてもらえました。励みになります。

http://www.hakusuisha.co.jp/book/b228932.html

『日本戯曲大事典』収録人名一覧
*太字は劇作家名として立項がなされている人名を示します
http://www.hakusuisha.co.jp/news/n16454.html

 

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«舞台『テレビが一番つまらなくなる日』 DVD上映会(アフタートーク付き)決行します!